なかなか終息しない新型コロナウイルス感染症、ウクライナの情勢などなど、心の晴れない日々が続いています。この状況に慣れてきてしまったのか、「侮ってはいけない。」と思いつつも、毎日の感染者数に一喜一憂することも少なくなってきているように思います。それでも今まで、陽性者が身近にいなかったのに、保育園で、学校でと感染が広がり、当然私たちの身近にも多くなっているような気がします。また変異株の話も出ており、早い終息を望むものの、こんな状況の中でいかに生活していくかを考えて、少しでも希望に満ちた日々を過ごしていきたいと思います。
世の中はすっかりZoomなどのオンラインによる会議や研修、小学校までも授業が行われたりして、みんなが画面を通しての生活が増えてきました。私が携わっている世田谷区の「高次脳機能障害者ガイドヘルパー講座」もその一つです。一緒に講師をしてくださった当事者の方が「Zoomによる研修会は音声が聞き取りにくかったり、表情がよく判らなかったり、講師は一方的に語っているだけのような感じでした。」「やっぱり対面で話したいですよね。みなさんの表情や反応がよく判らないから話しにくかったです。」との感想を述べられていました。
後段に書きましたTKKのアプローチ講習会でも、役員たちの会議の中で「会場に行く必要がないから便利だと思う反面、会場で参加するより理解できない、話していることがすっと入ってこない。」との意見が多く出ました。また講師の方々も、会場で行うより視聴者の様子を肌で感じられず、次第に早口になる傾向があったと思います。普段だったら会場の反応を見て、ゆっくり話したり、再度説明をしたり、ということがあるのかもしれません。良い内容なのに、上手く伝わらないというのは実にもったいないことだし、ここのところをどう解決していくかが課題だと思います。
また会場で出会った人たちとの交流が無くなってしまいました。研修や会議には、出会いや情報交換の場としての役割もあるんだなぁということを、つくづく感じました。「コミュニケーション能力」という観点からみると、生身の人付き合いが訓練されない環境は、今後に影響してくると思います。
さらに課題は、当事者や家族が参加できない状況です。パソコンやスマホの操作が難しい、ネット環境が無い方々は取り残されがちです。前回の講演会では、Zoomと会場のハイブリッド開催でしたが、ネットに繋げられる支援者が、コロナ等の感染防止を行いながら、他の場所で当事者や家族たちを集めて一緒に学ぶ、ということも是非広げていって欲しいと思っています。