こーじ通信

No.92 高次脳機能障害者支援法
2018年1月

  「高次脳機能障害支援法」制定に向かっての話が出ているようですが、何のことですか?」「うちにも問い合わせがあるのですが、どういう動きがあるのかもわかりません。教えてください。」というような問い合わせが何件かありました。  
  8月末に行われたTKK(東京高次脳機能障害協議会)周年行事最後の「アピール」に「高次脳機能障害支援制度の恒久化のために、全国の高次脳機能障害者とその家族およびその団体、支援者の方々と手を携え、法の下に高次脳機能障害者支援体制と諸施策が確立されることこそ、喫緊の課題と考えます。私たちは、高次脳機能障害者支援法(仮称)の制定を目指して前進して参ります。」と宣言しています。そういうこともあってのお尋ねだったのかも知れません。  
  今年度のTKK総会で議題となり、一団体が動いても仕方がない大きな問題だから、他団体とのネットワークを作ってやらなければならない、そのためにはいろいろ調べたり勉強をし、まずは共通認識を持つところから始めようと話し合いました。さらに12月ごろからプロジェクトチームで調査研究を始めだしました。「発達障害者支援法」(2005年(H17年4月1日施行)が議員立法で出来た経緯を調べ、その手順などが参考に出来ないかも調べています。また「認知症」も「認知症の人基本法」という名のもとに基本法制定の動きがあります。超高齢化で益々その人数は増え、若年性認知症も含め社会問題となっているので、こちらの方の制定は早いかと思われます。  
  かつて「障害者自立支援法」が制定される時に、「福祉サービス提供主体を市町村に一元化する。障害の種類(身体障害、知的障害、精神障害)にかかわらず障害者の自立支援を目的とした共通の福祉サービスは共通の制度により提供する。」という説明の元、「高次脳機能障害」に特化した支援法の要望に、厚生労働省から「この制度でやっていくから」との説明を受けたことがあります。これからのいろいろな障害や病気を特化して法を策定するという動きに、国はどう対応するか?
  高次脳機能障害に関しては、2年延長してのモデル事業のあと、支援普及事業が実施されています。それでも「支援法」が必要とし、制定する理由は何かを明らかにして、関係団体などとネットワークを作って、擦り合わせていかなければならないでしょう。私たちの不得意とするところで、さらに  片手間の仕事ですからなかなか進まないのですが、前号でご紹介した松本方哉氏の「根本的なリセットが必要」との言葉が頭に浮かんできます。いろいろな方のお知恵をお借りしたいです。                      
                                         高次脳機能障害者と家族の会 代表 今井雅子


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