こーじ通信

No.94 予算要望書の提出先
2018年7月

 当会は今年20周年を迎えます。発足当初から「医療・福祉の充実と確立のための行政への働きかけ」を活動の一つとして掲げてきました。制度の狭間に置かれていた高次脳機能障害者への支援を訴え、障害の理解と周知、実態調査、支援の充実を要望し続けてきました。東京高次脳機能障害協議会(TKK)に加盟してからは、東京都への要望書は、TKKとして提出しています。その間、国は高次脳機能障害支援モデル事業、支援普及事業を実施し、全国の支援拠点は5月末現在で103カ所になっています。何もなかった20年前を振り返ると、20年経ったんだなぁと感慨深いものがあります。それでもこの障害についての周知や理解はまだまだですし、支援についても足りないことがたくさんあるというのが現状です。今年もやはり予算要望書を提出して、さらなる支援を訴えます。
 しかし予算要望書の内容も難しいのです。今ある支援では足りないと訴えても、回答は「やっています」。周知のための学習会、研修会、人材育成のための研修、連携や情報共有なども実施している、そして「引き続き、普及啓発を図る」との回答ばかりです。東京都に関して言えば、区市町村高次脳機能障害者支援促進事業に予算をつけており、実施は各区市町村ということになっています。
 実際、障害者総合支援法の中の「地域生活支援事業」は、「障害者等が、自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう、住民に最も身近な市町村を中心として実施される事業」として規定されています。また「地方分権の観点から、地方が自主的に取り組む事業であり、生活ニーズに応じて個別給付と組み合わせて利用することも想定できる」となっています。結局、住み慣れた地域の支援を要望するのであれば、その自治体に、具体的な施策の要望を提出することが必要である、ということです。
 今井が住む世田谷区でも、そろそろ各会派からのヒアリングの日程表が着ています。毎年いろいろな会派に話をし、足りないこと、さらなる支援の必要性を訴え、さらに首長宛に予算要望書を提出しています。高次脳機能障害者の移動支援もそうやって創ってきました。東京都にTKKから予算要望書を提出し、地元でも提出していくという活動です。大きな問題はTKKに提案し、身近なところから変えていく作業を是非行ってください。そして各自治体の状況を情報交換をし、さらに良い支援を創っていきましょう。

 


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