こーじ通信

No.102 コロナ禍での高次脳機能障害
2020年8月

 誰も考えてもいなかったことが、今年は次々と起きています。新型コロナウイルスの世界中での感染拡大、それに伴う社会状況の大きな変化、未曽有の大雨や洪水の被害、そして身の危険を感じる毎日の酷暑等など。みなさんはいかがお過ごしでしょうか?
 本来であれば、8月初めには「ボウリング大会」の予定でした。さらに5月31日の総会の時に予定し、秋には何とか出来るかと思っていた講演会も開催できる状態ではありません。自粛解除の後の感染者増加を考えると、とても開催することは出来ません。しかしせめて、この通信だけはお届けしなければと思いました。
 先日、ZOOMで世話人会を開催しました。不慣れなことでしたが、何とかみんな繋がり、久しぶりに顔を見ながらの話し合いが出来ました。近況報告をし合いましたが、なんと参加した8名がみんな、何かしらの衰えや怪我、救急車搬送などがあったと話してくれました。前号で危惧していたことが、我が家だけではなく、やはりみなさんの身に実際に起きていました。世の中の人、みんなが生活の変化を余儀なくされている中で、「高次脳機能障害者」だけが大変なわけではないのですが、「環境の変化」について行けない障害特性があります。「新型コロナウイルス感染症」を理解できる方、出来ない方、さらに手洗いやうがい、マスクの使用が出来る方、出来ない方、など様々です。
 また高次脳機能障害の8割を占めていると言われる脳卒中の当事者は、一般の方々よりも免疫力や体力が弱っていると考えられるため、感染のリスクが高いと言われています。家族にとっては、気の許せない毎日だろうと思います。
 そこで今回は、世話人会で話し合われた、それぞれの出来事、使える資源、自治体によって違う支援策などを情報提供としてお伝えします。
 このことは、当会だけの話ではなく、多くの高次脳機能障害者と家族が、日々不安と戸惑いの中で生活をしており、いつにも増しての支援を必要としていると考え、加盟している東京高次脳機能障害協議会(TKK)から東京都に、「緊急および予算要望書」という形で、早急な支援を求めたものを提出いたしました。普通は来年度に向けた要望ですが、この状況下での支援は、今すぐにでも行っていただきたく、「緊急」を付けました。東京都も各自治体もコロナ対策で通常の業務も大変です。来年度予算も縮小されるとも聞いています。どこまで考えてくれるか、とにかく声にして届けました。


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