こーじ通信

No.111 高次脳機能障害者と災害
2023年7月

 今年も大雨による被害があちこちで起きています。また地震も多発しています。被災された方々には心からお見舞い申し上げます。自然災害の多い国とはいえ、日本の最近の災害は想像以上の規模の被害となっています。「線状降水帯」という言葉も、ニュースや天気予報で普通に使われているようになりました。みなさん、災害の備えはどうされていますか?ちゃんと準備をされていますか?かく言う私は、ずいぶん前に用意した避難リュックや食料などはあるものの、点検もせずに漠然と「困るな」「何とかしておかなければ」と思いつつ、手を付けていない状態です。東日本大震災のあと、かなり災害弱者としての障害者についても検討されてきています。実際、高次脳機能障害者が災害の際、どうなるのか、みんなと一緒に避難できるのか?環境の変化に対応できないから、理解のある人と一緒でなければならず、主人のように地誌的障害や記憶障害があれば、避難できたとしても、避難先の中で元に戻れず迷ってしまいます。考え出すと難しいことばかりが思い描けます。
 避難ということでも取り残されている障害者について、「避難訓練」も必要ではないか、という要望を提出したこともありますが、最近は「在宅避難」ということが言われてきています。「災害が発生した時に、あなた自身や家族にケガがなく住居にも危険な損傷がなければ、多少不便であっても、自宅で避難生活を送ることです。住み慣れた家で暮らすことによってストレスが減り、心身の健康を保ちやすくなるというメリットがあります。」と行政の広報には書かれています。何年か前の大雨の時に、ご家族の方の「雨の中、主人の車いすを押して避難所まで行かれない!」という悲痛な話を聞きました。危険がないなら、自宅にいた方が確かに安全です。それにしても、事前の備えが大事ですね。
・建物と室内の安全確保:必要に応じて耐震補強を施したり、家具の転倒防止装置を正しく設置
・食料、水の確保:10日間程度の食料品や水を備えておく(循環させておくと良い)
・お薬手帳または現在の処方箋・薬の予備3日分程度:健康保険証や処方箋のコピーを障害者手帳等に入れておく
・家族の写真:家族とはぐれた時の確認用で、裏に家族の名前と携帯やメールの連絡先を書く
・ヘルプカード等:周囲の人に支援を求めるツール、携帯電話・緊急用のホイッスル
 などなど用意しなければならないことはまだまだ沢山!ちゃんとされている方には笑われそうですが、秋の防災の日を待たず、少しでも用意できるところから始めよう!と今更ながら思っています。


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