こーじ通信

No.113 新年にあたって
2024年1月

 新年明けましておめでとうございます。とご挨拶の文を書き出し、2023年の活動を思い出しながら、今年はどんな年になるのだろうか?と思いめぐらしながら、筆を止めていました。

 さんざん苦しんだ新型コロナウイルスは昨年5月より5類となり、少しずつ日常生活が戻り始めていました。しかしこの間世の中はかなり変わってきていて、決して元通りになるわけではなく、環境変化の対応が難しい高次脳機能障害のある方々にとっては、これからも順応していく努力が続くのだろうと思います。さらにコロナが終焉したわけでもなく、未だに罹患の話も聞きます。こんな状況の中、家族会としてはどういう活動をしていけば良いのだろうかとも考えていました。

 そこへお正月初日の能登半島地震の絶え間ない緊急速報です。驚きと悲しみ、毎日更新される死者や行方不明の人数に他人ごとではなく、また現在の寒さや救援の状況をニュースで見るたびに、早い救出や支援を祈るばかりです。

さらに翌日の羽田での飛行機衝突事故のニュース、旅客機の乗客のみなさんは助かったとの報道にホッとしましたが、衝突した海上保安庁の飛行機の乗員5名の方が亡くなられたとのこと。しかもこの飛行機は、地震の救援物資を運ぶため新潟に出発しようとしていた時の事故と知り、胸が痛む思いです。犠牲になられた方、ご家族には、心からお悔やみを申し上げます。

 新年からの自然災害、航空機事故、世界に目を向ければ年末年始にもかかわらず、激しい戦闘は続いています。環境問題も含め、地球を取り巻く多くの問題に、私たちはどう生きていくべきなのか、重く大きな課題を突き付けられています。つい日々の生活に追われてしまいがちですが、一人一人の意識と行動が、大きな力になっていくことを信じて、出来ることを実行していくしかないと思います。

 暮れに、久しぶりに対面で高次脳機能障害の団体の方にお会い、いろいろなお話をさせていただきました。やはり対面は必要です。メールや書面でのやり取りではわからないことがたくさんあり、お会いできて本当に良かったと思っています。おそらく高次脳機能障害のある方、ご家族も同じことだろうと想像します。みなさんはもっと心細く、誰かと会いたい、話したいと思っておられると思います。今年はできるだけ、多くの方々とお会いし、お話し、決して一人ではないこと、仲間がここにもいるよと伝えていきたいと思います。高次脳機能障害だけに特化して考えがちですが、当事者や家族が困っていることは、多くの方に共通の問題がたくさんあります。一つずつ解決していければ、みんなが住みやすい社会になっていくと信じています。どうぞ本年もよろしくお願いいたします。


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